自閉症の息子が幼児期の頃、とても酷い偏食でした。
息子は就学前の3年間、障がい児の通園施設に通園していたのですが、施設でも偏食指導に取り組んでくれたものの、なかなか改善できませんでした。
そんな息子も、現在は好き嫌いなく何でも食べられるようになっています。
私が前向きに偏食指導に取り組めたキッカケは、自閉症の我が子の偏食に向き合った友人親子の影響が大きかったと思います。
息子が幼児期のうちに偏食改善することはできなかったのですが、ずっといつも友人の考え方と取り組みを忘れることはありませんでした。
今回は、そんな友人の取り組みや息子の偏食指導について書いています。
自閉症の息子の幼児期は偏食が酷かった!
幼児期の息子は何を食べていたんだろう?
思い出そうとしても、幼児期の息子が好んで食べた物の記憶がほぼほぼありません。
彼が唯一食べていたのはふりかけご飯だった気がします。
「Sちゃんは霞を食べて生きてるの?」って言われるほど、食べられるものが極少でした。
野菜も肉も魚も、細かくみじん切りにしてご飯に混ぜてごまかして食べさせていましたが、完食することはなかったですね。
匂いに敏感だったので、匂いを嗅いで食べないことが多かったです。
特にお弁当は匂いが移るので、彼はクンクンと匂いを嗅ぐだけで食べなかったですから、お弁当持参の遠足とか困りました。
そんな彼も、年長児の頃にはいくつか好きな食べ物ができて、通園施設では好きなものを食べるために嫌いなものを一匙だけ食べるという偏食指導をしてくれていました。
スプーンに乗せた嫌いな食べ物を睨みつけて、なかなか食べようとはしなかったようですけどね。
家庭でも同じ方法で偏食指導を試みましたが、家では我儘が通ると思っていたので、上手く進められませんでした。
なので、幼児期の息子はひどく偏った食生活だったんです。
偏食指導に影響を与えた友人たちの考え方
息子が通園していた障がい児の通所施設では、週に1度は母子通園日があったので、母親たちと交流する時間もたくさんありました。
息子が幼児期の頃が一番辛い時期だったと思うんですが、悩みを打ち明け合ったり情報交換したり、親同士の交流は心の支えになっていました。
ある日のこと、子供を待ちながら園庭で立ち話をしていたとき、偏食の話になったんですが、友人たちの捉え方が真逆だったんです。
後ろ向きの捉え方をした友人
自閉症のT君は、温かい食べ物しか食べない子なんだそう。
通所施設では、園内で給食を作っていたので温かいものが食べられる環境でした。
そして家庭でも、いつも温かい食べ物を用意することを心がけているとのことでした。
他に楽しみがない子だから、食べる物くらい息子が気に入るように配慮してやりたいという親心だったようですが・・・。
T君のお母さんは、今のことしか考えていなかったんです。
前向きの捉え方をした友人
自閉症のH君はラーメンが大好きで、他のものを食べようとしなくて困っているとのことでした。
でも、T君のお母さんの話を聞いて、自分は嫌だと思ったと後でこっそり話してくれました。
今のことだけ考えれば、子供の好みに合わせた方が楽かもしれないけど、いつまでも親が配慮してやることはできないだろう。
将来、どんな環境で暮らすことになるか分からないから、その時に何でも食べられるようになっていないと不幸だと思ったんだそうです。
H君のお母さんは、将来のことを見据えていました。
偏食指導に成功した友人親子
我が子の偏食を前向きに捉えたH君のお母さんは、息子の偏食を治すためと覚悟を決めて偏食指導に取り組み始めました。
最初は抵抗していたH君でしたが、ほどなく何でも食べられるようになったんです。
偏食指導のために友人が徹底したことは簡単なことだけど、覚悟が必要だったと思います。
偏食指導のために友人が徹底したこと
- 自分が食べたいものを作る
- 食事中に席を立ったら片付ける
- おやつは与えない
そもそも、Hくんは食べず嫌いの所があったようで、口にしたことがない食べ物が多かったため、空腹にすることで食べてみたら食べられたんだそう。
自分が食べたいものを作る
子供の好みに合わせた献立だと、どうしても偏ってしまうので、子供の好みに合わせたメニューではなく、お母さん自身が食べたいものを作るようにしたんだそうです。
献立によっては、食べたことがないものや嫌いな食べ物だけのときもあったとのこと。
今だけのことを考えれば、可哀そうだと思うんですが、息子の偏食を絶対に治すと決めていたので、譲らずに徹底したんだそうです。
食事中に席を立ったら片付ける
食事中は座ることを分からせるために、席立ちしたら食事は終了ということで、少ししか食べていなくても片付けることにしたんだそう。
少ししか食べていないので空腹になって食べ物を欲しがっても、次の食事時間までは食べ物を与えないことにしたとのこと。
言葉が通じないし、意味を理解しない子だったので、諭すこともできないのでここまで徹底する親も辛かったと思います。
おやつは与えない
偏食があってもお菓子は食べる子多いですよね。
偏食で食事を食べていないとお腹が空いていますから、おやつを与えるとおやつで空腹を満たしてしまいます。
おやつでお腹いっぱいになってしまうと、食事が食べられません。
おやつを与えてしまうと悪循環になってしまうので、偏食指導中はおやつを与えないことにしたんだそうです。
されど息子の偏食指導は上手くいかなかった
友人親子の偏食指導の取り組みに感化されたんですが、幼児期には息子の偏食指導は上手くいきませんでした。
私の覚悟が足りなかったんです。
嫌いなものは頑として受け付けなかったし、お腹が空いて泣くと「そんなに泣かすな。」と、言われることもあって、息子の機嫌をとることを優先してしまったんです。
夫の両親と同居世帯だったので、祖父母からすると、孫を泣かせているとしか映らなかったんでしょうね。
家族の食事の用意ができたら、家族の食事中は息子を連れて公園へ行ったりすることもありました。
友人のように覚悟を決めて徹底することができなかったので、幼児期の息子の偏食指導は上手くいきませんでした。
▼YouTubeでもお話しています。
【自閉症がわかるまで】自閉症の息子の偏食指導に影響を与えてくれた友人の取り組み
まとめ
自閉症の息子が幼児期の頃は、偏食がかなり酷かったのですが、偏食指導は上手くできませんでした。
ただ、通所施設で一緒だった友人の偏食指導に感化され、ずっといつも友人の考え方と取り組みを忘れることはありませんでした。
息子の将来を思ったとき、何でも食べられるようになっていないと不幸だと思い、徹底した偏食指導をしたんです。
偏食指導のために友人が徹底したことは
- 自分が食べたいものを作る
- 食事中に席を立ったら片付ける
- おやつは与えない
簡単なことなんですが、子供に合わせない取り組みを徹底するのは、覚悟も必要だったと思います。
食べることは一生欠かすことができませんから、何でもおいしく食べられるようになっていた方が、断然幸せですよね。
息子の偏食が改善できたのは、小学生になってからでしたが、友人の取り組みを教わっていたおかげで、息子の偏食と向き合うことができたことに感謝しています。