自閉症の息子に学習指導をしていたとき、指導に乗ってこなくて教え辛さを感じていました。
どうすれば自分からやる気になるんだろう?
どんなに課題の工夫をしても上手くいかなくて、イライラしたことも多かったですね。
でも諦めず、上手くいったりいかなかったりを繰り返しながら、少しずつ指導しやすくなり、小学校高学年の頃には、自習することもできるようになりました。
今回は、そんな息子をやる気にさせることができた取り組み方を紹介します。
やる気にならないのは?
誰でもやる気になれないことはありますよね。
なので、自閉症だからやる気にならないってことではないんですが、コミュニケーション力や理解力が弱いので、やる気にさせるのが難しいところがあります。
やる気にさせられないのは、やる気になれない環境を与えているからかもしれません。
子どものせいではなく、私のせいかも・・・
- できないことばかりさせている
- いつも失敗ばかりする
- 褒めてもらうことがない
自閉症でなくても、こんなことばかり繰り返しているとやる気になれないですよね。
できないことばかりさせている
できないことをできるようにしようと頑張っているなら、できない日々が続いてもやる気を持ち続けることもできるでしょう。
でも、自分の意志でできないことを克服しよう頑張るのは、自閉症の子には難しくやる気になれないと思います。
私の息子には無理でした。
かといって、できないことをできないままにしておけというのではありません。やり方があるんです。
いつも失敗ばかりする
何度やっても失敗することは、苦手なことですよね。
失敗しても気を取り直して、できるようになるまで挑戦し続けることができれば良いんですが、なかなかそうはいかないものです。
理解力が弱かったり、不器用だったり、できないことが多い自閉症の子に、いつも失敗することばかりさせていたら、やる気にさせることは難しいです。
褒めてもらうことがない
誰でも褒められると嬉しいですし、また褒めてもらいたいと、褒めてもらえたことには意欲的になりますよね。
意思の疎通が難しく、不器用で理解力も弱い自閉症の子は、褒めてもらうことが極少だったりします。
ちなみに、息子が小さい頃は、困った行動ばかりが目に付いて褒めてあげることを見つけられずいましたし、気持ち的に褒める余裕もありませんでした。
やる気を育てる達成感!
何かを成し遂げた達成感は、誰でも嬉しいですし、もっと頑張ろうってやる気になりますよね。
自閉症の息子も同じで、達成感を得させることでやる気が育ちました。
特に、「やったー!できたー!」と、嬉し涙を流すほどの達成感は、息子のやる気を大きく育ててくれたと思います。
そんな大感動の達成感が毎日あったわけではないですが、「できた!」と、やり切った達成感は、工夫しだいで毎日与えることができます。
達成感を得させる取り組み方
自閉症の息子に達成感を得させるために、守っていた取り組み方があります。
- 簡単にできることだけをさせない
- 絶対にできないことはさせない
- はじめと終わりが分かるように工夫する
- やると決めたことはやり切らせる
- 最後までやり切ったことを誉める
取り組み方といいますか、何かをするときの心得みたいなものですね。
簡単にできることだけをさせない
難なく簡単にできることは、達成感が小さいですよね。なので、少し頑張ればできることをさせるようにしていました。
かといって、何もかも頑張らないといけないことばかりやっていたわけではないです。
息子が得意で好きなこと、サッと簡単にできることと、少し難しいことを組み合わせながら指導していました。
毎日、小さな達成感を得られるように、試行錯誤しながら取り組んでいたので、失敗することもあったんですけどね。
絶対にできないことはさせない
どんなに頑張っても絶対にできないであろうことはさせないようにしていました。
一気にできるようにはならないので、少し頑張ればできることでレベルアップするように課題の工夫が必要でした。
簡単にできることでも絶対できないことでもないこと、それを見つけるには息子をよく観察することが必要だったので、細かく記録を取ってましたね。
はじめと終わりが分かるように工夫する
いつ始めて、どこまでやれば終わるのか、それが分かるようにしておくことで、学習することに抵抗がなくなります。
大人だって、就業時間が分かっていることで、きつい仕事でも頑張れるでしょ。
自閉症の子も同じです。
息子は見て判断する方が分かりやすかったので、どこまでやれば終わるのか視覚で分かるようにカードなどを活用していました。
やると決めたことはやり切らせる
やると決めたことは、途中で投げ出すことなく最後までやりきることは、徹底していました。
少し難しいことに挑戦させているときや、やる気になれないときなど、嫌がって泣いたり騒いだりすることもありました。
でも、ここで譲って中断させたら、達成感を得ることはできないし、次回からも逃れようとするときのかけ引き手段にしてしまいます。
辛い所で止めたら、辛かったことしか残らないですから、また挑戦する気になれないですしね。
最後までやり切ったことを誉める
子どもは褒めて育てるものとよく言われますよね。私も褒めて育てるのが基本だと思っています。
でもね、困ったことばかりしてくれて、できないことが多い自閉症の息子を褒めることって、意識してないと見つけられなかったんですよ。
なので、間違っていても上手くできていなくても、最後までやり切ったら「すごい!できたねー!」「よくがんばったねー!」と、最後までやり切ったことを誉めるようにしていました。
これなら、毎日褒めることがたくさんあったんです。
息子に分かりやすいように、ちょっと大げさすぎるくらいに褒めてました。
褒められることが、息子にとって嬉しいことになるまでには少し時間がかかりました。
でも、毎日繰り返すことで、お母さんが嬉しそうにしている、喜んでいるということが、分かるようになっていきました。
子どもにとって、ニコニコ笑顔のお母さんは、嬉しいものです。自閉症であろうとその感情は同じなんです。
そんな親子関係を築いていたおかげで、大人になってからの親子関係も好ましい状態になっていて、円満な日常生活を過ごすことができています。
まとめ
いつもいつも上手くできるわけじゃないけれど、毎日やり切った達成感を得ることは可能です。
ちょっと頑張ればできることと、簡単にできることを組み合わせながら、「やったね!」感をいっぱい感じさせてあげる。
そんな小さな達成感を感じながら、少しずつレベルアップしていくことで、できなかったことができるようになると、得意で好きなことが増えます。
得意になって好きなことは、自分から進んで取り組むようになってきます。
やる気にさせられないのは、やる気になれない環境を与えているからだと、自閉症の息子を育てながら感じました。
やる気になれない環境とは・・・
- できないことばかりさせている
- いつも失敗ばかりする
- 褒めてもらうことがない
息子の状態を観察しながら、私の方に問題があったのではないかと、その時の状況を振り返ることもしばしばありました。
そして、自閉症の息子に達成感を得させるために、以下のことに気をつけるようにしていました。
- 簡単にできることだけをさせない
- 絶対にできないことはさせない
- はじめと終わりが分かるように工夫する
- やると決めたことはやり切らせる
- 最後までやり切ったことを誉める
課題に工夫は必要でしたが、達成感を得させる取り組みは、彼のやる気を引き出してくれたと思います。
親子で「やったね感」を共有できるって良いものですよ。
自然とニコニコ顔になりますから、息子もお母さんのそんな嬉しそうな様子が好きになったようで、母子の信頼関係も育ったと感じています。
そうなると、ほんとに指導しやすくなるんです。
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