自閉症の特徴として聴覚が過敏と言われていますよね。息子の場合も幼児期から小学校低学年くらいまで、自分の手で耳ふさぎをしていました。
音が辛いのね!
息子の耳ふさぎがひどい時期は、音の刺激から身を守っているんだろうと思っていました。
でも、よく観察すると息子の場合は少し違うと感じ、逃げることを止め慣れさせることで、耳ふさぎが消失していったのです。
聴覚が異常なほど過敏な自閉症の症状
先日、某テレビ局が放映した「発達障害」という番組を視聴しました。
聴覚が異常なほど過敏なため、音のシャワーを浴びせられているようで、外の世界に長くいられないという聴覚障害についてのドキュメントでした。
そして、自閉症の人には、こういった聴覚障害があるのだと。
あ、みんなって言ってたわけではないんだけど、多くの人って言われるとみんなって思わない?
番組に出演していた自閉症の方は、理論的で流暢な日本語でお話ししていたので、うちの息子とは違う、アスペルガーのようでした。
自閉症の障害を持つ人は、五感が鋭すぎたり鈍すぎたりとバランスが取れてないと言われており、幼少期の息子もその傾向が強かったです。
でも、小学校高学年くらいから、過敏と思えるほどではなくなり、今は普通に外の世界で過ごすことができています。
番組に出演していた大人の自閉症(アスペルガー)の方々は、今でも過敏で、人に理解されないことで生活のし辛さがあるようですね。
本人が自覚できるレベルなので、自分は人と違うことで悩みも深いのでしょう。
ですが、知的障害を伴う自閉症の息子の場合は、「人と違う、自分は普通じゃない」などの自覚はないので、苦痛と思うところは音に関してだけだったと思います。
少なくとも、幼少期の息子はある一定の音が苦手なんだと思っていました。
耳ふさぎする息子の場合は違う気がした
息子が耳ふさぎをし始めたのは、4歳ころだったと記憶しています。
特に、ガラスをキーっと引っ掻いたときのような音とか、高音の金属音が苦手だったようです。普通でも嫌う人が多い音ですよね。
大きな音楽とかも苦手で、小学校では運動会シーズンになると練習でも本番でも大きな音楽が流れるので、ずっと耳ふさぎしていました。
そんな小学校2年生のころ、耳ふさぎしている息子をよく観察していて気が付いたことがあります。
耳に突っ込んだ指を、小刻みに出し入れしていたんです。
えっ?なにやってるの?
私も息子と同じことをしてみました。すると、聞こえてくる音が、ワォンワォンって感じかな、大きくなったり小さくなったりで面白く聞こえたんです。
耳ふさぎを始めたころの息子は、大きな音が苦手だったのかもしれませんが、いつからか、音の強弱を楽しむようになっていたんです。
それ以後、彼には苦痛なんだろうと思っていた、大きな音のする場所に連れていくことにしたんです。
逃げの療法から向き合う療法へ
個人差があるので、誰にも良いとは限らないですが、息子には苦手な音に立ち向かわせて慣れることをしていくことにしたんです。
ちょうどその頃、姉たちが金管バンドのクラブに所属していて、マーチングの大会などに参加する機会があったので、彼を連れて応援にも行きました。
体育館中に響く爆音の中で、息子は耳ふさぎしたり、耳に突っ込んだ指で音遊びしたりしながら、パニックになることもなくその場に居られるようになっていきました。
小学校高学年になったころには、音遊びにも飽きたのか、耳ふさぎをすることもなくなっていました。
もちろん、普通に誰もがうるさいと思うほどの音には、軽く耳ふさぎをすることはありますけど、それは普通でしょ。
TV番組で放映されていたような音に対する聴覚障害を持っている人もいますが、息子のようなケースもあると思います。
確かに、音に敏感なところは今でもありますが、逆に特技になっているかもしれません。ピアノの音を聞いただけで半音まで聞き分けて弾くことができたりします。
言葉の理解を必要とする聴覚は劣っていますが、音階の聞き分けには長けているようです。
【自閉症がわかるまで】自閉症の息子が耳ふさぎしていた理由と対策
まとめ
自閉症の障害のひとつとして、聴覚障害があると言われています。
アスペルガーの人の中には、音の刺激が強すぎて外の世界が苦痛な場合もあるようです。
知的障害を伴う自閉症の息子も、大きな音や特定の音が苦手で耳ふさぎをしていましたが、あえて彼が苦手とする音を与えて慣れさせてきました。
そんな息子の成長を見てきているので、なんでもかんでも自閉症の障害と決めつけてしまうのもどうかと思っています。