自閉症の子供はくるくる回る子が多いと言われていますよね。うちの息子も幼少期には激しく回っていました。
どんなに強く回っても
目が回らないのよね。
なんでくるくる回るのか分からなかったし、目が回らない息子が不思議でした。そんな息子も学齢期以後は回ることはないです。
今回は、息子が受けた感覚統合訓練や回転が止まった理由を私なりの考察でお話しします。
自閉症のくるくる回ることへの対策
色々と試してみたことや、息子の成長から私なりに思うところの「自閉症のくるくる回ることへの対策」は、次のようなことです。
- 危険が無いように見守る
- 人に迷惑がかかる場所では止める
- 他にできることを増やす
なぜ、このような考えに行きついたのか、詳しくお話しします。
自閉症の息子がくるくる回る原因
歩行がしっかりしてきて走り回れるようになった2歳すぎから、息子がくるくる回るようになりました。
何がきっかけだったのかは分かりません。
- 自分でくるくる自転する
- 回転遊具でグルグル回されるのが大好き
- どんなに激しく回しても目が回らない
飽きることなくくるくる回る姿は異常でした。
なぜ、あんなに回るんだろう?
そんなある日、療育施設の図書を読んでいたときに、原因はこれだ! と、見つけたんです。
人の五感は普通ならバランスよく保たれているけれど、自閉症の子はその五感のどれかが、鋭すぎたり鈍すぎたりするとのこと。
そして、その対策として「感覚統合訓練」が有効と知りました。
そうとなったら、感覚統合訓練を受けたくなり調べました。すると、県内に2名、感覚統合訓練ができる指導者がいることが分かったんです。
そんな話を、療育施設の母子通園で知り合ったお母さんに話していると、「その先生知ってるよ。紹介してあげようか。」と、幸運に恵まれたのです。
息子が受けた感覚統合訓練
息子が感覚統合訓練を受け始めたのは、3歳0ヶ月でしたが、医師の診察と発達検査で「感覚統合異常・要訓練」という診断結果でした。
感覚統合訓練の先生が、息子の感覚的なところの検査をして分かった感覚異常は3つでした。
- 平衡感覚が鈍い
- 触覚が過敏すぎる
- 臭覚が少し鈍い
彼がくるくる回るのは、平衡感覚が鈍いのが原因と言われました。
どんなに回っても目が回らないから、平衡感覚が良いのかと思っていたら逆でした。
高い場所にするするとお猿さんみたいに登っても平気な場合も、平衡感覚が鈍いんだそうです。
感覚統合訓練で何をしたか
回転に対する平衡感覚が鈍い息子の感覚統合訓練は、強い回転刺激を与えて刺激の伝達力を目覚めさせていくことでした。
直径1.5mくらいの大皿みたいな器具に乗せて、くるくる回すなどです。
3歳頃の息子は、慣れない場所では落ち着けず、私にしがみついて離れませんでしたから、結局、「お母さんが抱っこして乗って」ということに。
息子はグルグル回されても平気でしたが、私は吐きそうになりました。
家庭でも回転訓練をする
療育機関での訓練は月に2回程度ですから、それだけじゃ何の意味もないということで、家庭でも回転刺激を入れるように指導があったんです。
できるだけ、息子を回転の中心に置いて強い刺激を与えるようにとのこと。
しかし、抱っこして回ると私が吐きそうになるし、目が回ってふらつくので危なくてできなかったです。
家では無理だ・・・
なので、公園や保育所にある回転遊具を利用するようにしたのですが、強く回転させるので、他の子供が遊んでいると危ないですよね。
写真のような回転遊具でしたが、まだ3歳の息子を一人で乗せて高回転させるのは危険だったので、結局、私が一緒に乗って、誰かに回してもらわないといけなかったんです。
なので、そんなに頻回にはできませんでした。
回転遊具で強い回転が入ると、普通は空を見上げて回転刺激を緩めるのだそうです。
息子は逆で、地面を見つめていて、そうすることでより強い回転刺激が入るのだそうですが、グルグル回しても目が回らないので、遊具から降ろすと平気で走っていました。
感覚統合訓練は効果があったのか
感覚統合訓練は効果があったのかどうか、正直のところよく分かりません。
家庭で取り組むには、条件が揃わなかったので充分にすることができなかったからです。
月2回の感覚統合訓練も、息子のお昼寝時間と重なって機嫌が悪くてできなかったり、訓練室内のボールプールから出てこなくなったりでした。
無理に引っ張り出して訓練をすることはなかったんです。
ただ、訓練士の先生から息子の発達状態や関わり方などをアドバイスしてもらえたのは良かったです。
感覚統合訓練に通ったのは、3歳~10歳くらいまでの期間でしたが、小学生になってからは月1回で、カウンセリング的なものとなりました。
息子が回らなくなった理由
彼は、くるくる回ることで感覚刺激を楽しんでいるようなことろがありましたから、人に迷惑をかけない範囲であれば、止める必要もないとは思っていました。
無理に止めなくてもいいのかもだけど・・・
息子がくるくる回るのを止めたかったわけではなく、くるくる回る原因が感覚統合異常であり、感覚異常が改善することで自閉症の改善にもなると思ったからです。
ただ、場所に関係なく、家でも外でもくるくる回っていると、変な子って見られるのが、当時の私はイヤだったところはありました。
そんなわけで、感覚統合訓練に行きついたのですが、訓練になるほどのことはできなかったので、良かったのかどうかは未知です。
息子が小学校へ上がるころには、くるくる回ることはほとんどなくなっていました。
それはなぜかというと、他にできることが増えていったからです。
ブランコがこげるようになったり、歌が歌えるようになったり、絵本を楽しむようになったり、彼自身が楽しめることが増えていったことで、いつの間にか止まりました。
息子がくるくる回るときって、何もすることがない暇なときだったんです。
【自閉症がわかるまで】クルクル回る幼少期の息子!どんなに激しく回っても目が回らなかった理由
まとめ
自閉症の子供はくるくる回る子が多いです。時には異常にさえ見えるので、止めたいと思うこともあると思います。
自閉症の子は感覚統合に異常があるためと言われていて、くるくる回る原因は平衡感覚が鈍いからなんですね。
そこで、感覚統合訓練も試してみたりした結果、自閉症の子がくるくる回るのは、無理に止めなくて良いと思うに至りました。
- 危険が無いように見守る
- 人に迷惑がかかる場所では止める
- 他にできることを増やす
冒頭でもお話ししましたが、自閉症のくるくる回ることへの対策は、こんなところかなと思います。